音と香りとピアノ

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ドビュッシー 水の精について

 イメージとしては、前奏曲集第2巻の第4曲「妖精はよい踊り子」や前奏曲集第1巻の第9曲「パックの踊り」などの世界と同じでアーサーラッカムという挿絵作家が書いた挿絵などから連想される。
アーサーラッカムというイラストレイターの絵本「ウンディーネ」。

 

ウンディーネ (新書館の海外名作絵本シリーズ)

ウンディーネ (新書館の海外名作絵本シリーズ)

 

 

 
ドビュッシーの愛娘シュシュは、このラッカムのイラストが大好きで、
ドビュッシーは彼の挿絵入りの童話集を買いあさったようです。
ドイツ語ではウンディーネ、フランス語ではオンディーヌという水の精はどちらもラテン語で波を表すウンダからきています。
 
16世紀の錬金術パラケルススは、水の精は妖精だから、最後の審判の時は塵になって世界を彷徨うことになる。しかし人間の男にと結婚すれば、自分も永遠の魂を得ることができる。ラヴェルのオンディーヌもこれを狙っていた?
ドビュッシーの水の精は、悲恋物語の雰囲気はなく、おきゃんな妖精少女ウンディーネの雰囲気。水の性質そのままに気が変わりやすく気に入らないことがあると水をひっかけたりする。水の精だから、突発的な動きが多く、すべての動作を準備しておけない水の精は、ラヴェルのオンディーヌとは、また違った難しさがあるようです。

               (参考図書:ドビュッシーとの散歩 青柳いづみこ